日本犬あるいは犬に関する書籍を紹介します。日本犬関連書は現在書店に並んでいないものが多いですが、これらは図書館などで拝読したものです。自分が読んだ本に極めて個人的な感想を添付しました。
*掲載は下から上にアップグレードしています。

★初心〜中級者向け  ★★中級〜上級者向け  ★★★特上級者向け (独断と偏見で決めてます)

「社団法人日本犬保存会と私のかかわり」 倉林恵太郎 自主出版 ★★★

 平成22年(2010)11月20日、愛知県蒲郡市にて開催された、第107回日本犬全国展覧会で発行、配布されたもの。審査員の定年を機にご自身の資料をまとめた一冊です。日本犬の歴史を知らせる大変貴重な記録が100ページ以上に渡り綴られています。中表紙に私の名前と、ご自身のお名前と「謹呈」を達筆な毛書で記した和紙を添えて、アメリカへ郵送して下さったった丁寧なお心遣いに感謝いたします。現在一般配布の在庫は無いそうです。(5/2/2011)

「日本犬百科」 渡辺肇 誠文堂新光社 ★★★

 昭和49年発行。日保入会後間もなく読んだ専門書だが日本犬標準解説を読んでまったく理解できなかった記憶がある。日本犬標準が理解できるようになったらまた読んでみたいと思っていたが、奇しくもアメリカでこの本に出会えた。感無量である。保存を意識して日本犬に関わるのならば、古書から学ぶのが良いと思う。とても詳しい日本犬標準解説と日本犬の味わいの解説は価値有り。(6/27/2009)

「柴犬研究六十年」 中城龍雄 形成社 ★★★

 著者は日保審査員を経て、昭和34年天然記念物柴犬保存会(柴保)を創立。独自の柴犬論、系統論と柴保の代表犬、金賞犬の説明がぎっしり書かれています。石、コロ、アカ、紅子、中、中市などの裏話的な解説はなかなか面白い。他紙に出回っていないこの祖犬たちの写真は価値あり。

「イヌの動物学」 猪熊壽 東京大学出版会 ★

 2001年初版、アニマルサイエンスシリーズで出版されています。生態行動学を理解すると犬への正しい接し方が解ります。

「日本犬の研究」 高久兵四郎・他 共著 成光館 ★★★

 昭和13年発行、今や古書店で18,000円で置かれている代物である。芝(当時はこの字が使われていたようだ)犬の項でこの時代すでに『矮化』『褪色』(近親交配によるものではあるが)を危惧している。
「柴犬雑学」の中に書いた「タマ公」の事が詳しく書かれていて本犬の写真も掲載されているのが私的に嬉しい。他に土佐闘犬、狆、日本テリアのことはそれぞれ別の著者により書かれ掲載されている。 当時の日本犬が垣間見られる貴重な一冊です。

「日本犬小型犬籍簿」 日本犬保存会 ★★★

 登録番号1番「タコ号」から5000番までの犬が記載されています。興味深いところは戦前847頭の登録犬のうち白毛として登録されているのは6頭のみで、赤毛が圧倒的に多い。胡麻も多く見られるのも特徴です。
しかし・・・当たり前ですが、手書きです。細かい字で・・・。先人のご苦労が伝わります。

「愛犬の友犬種ライブラリー・柴犬」 愛犬の友編集部編 誠文堂新光社 ★★

 先に紹介した「犬種別シリーズ」の改訂版です。
唯一、更新した「現代に影響を与えた犬たち」が貴重で購入しました。
残念なことは「犬種別シリーズ」からのコピーのせいか、解説に使われている写真の質が落ちている、イラストも前の本に比べると少々軟弱かな?(これも時代の流れなのでしょうか・・・)

「日本の犬と狼」 斉藤弘吉著 雪華社 ★★★ 

 ずっとずっと前から読みたかった本です。
日本犬保存会創設者で日本犬と日本狼の第一人者、斉藤弘吉氏が最も書き残して置きたかった研究の一部を死する直前にまとめあげたものです。かなり専門的な内容ですが、最後の章に氏が世間に知らしめた日本犬、忠犬「ハチ公」のことが書かれております。
 (日保会員として、氏の情熱を受け継いでいきたいものです。)

「天然記念物日本犬」 小山宏著 倉福荘刊 ★★★ 

 発行者が狩猟者であることからその内容は狩猟犬としての紀州犬の訓練やその表情など、日本犬の生態 として動的な写真が多く掲載されている。とても魅力的なものである。日本犬の本質的な部分を実猟犬を介して豊富に書かれている。秋田マタギ犬、十石犬、肥後狼犬、原ニホンイヌ・シマヤマイヌなどにも触れている。

「狼-その生態と歴史-」 平岩米吉著 池田書店 ★★★ 

 ニホンイヌを突き詰めるとニホンオオカミに遡ってしまう。『犬と狼の関係』、『日本狼の歴史』、『狼を飼った人々』では実際に狼を飼育したエピソードが書かれていて犬と狼の差や犬に現れる狼の本能が垣間見れてとても面白い。著者は日本犬保存会の創設に携わり、犬科生態研究所の発足、動物文学会の創立、フィラリア研究会での功績を残し、自ら朝鮮狼やジャッカルを飼育しその生態を研究、発表している。

「犬は子をどのように育てるか」 森永良子著 どうぶつ社 ★ 

 著者は児童臨床心理家の医学博士。病院の動物実験用の犬の妊娠、出産、育児、病気、死などで現れる変化を、自然の『群れ』の環境下で観察し、人間の母と子に当てて考えてます。内容はあくまで人間の母子に対する臨床心理で犬の研究ではありません。しかし、ここに登場する犬たちの行動はとても興味深いものがあります。

「往古日本犬写真集」 岡田睦夫著 誠文堂新光社 ★★★ 

 「愛犬の友」に連載されていたものに新たに写真と記事が加えられて一冊の本になりました。当HPで紹介している「幻の日本犬」、越の犬、マタギ犬の貴重な写真も見られます。「古きを訪ね新しきを知る」、我が国古来の犬・純血日本犬の姿から作出の目標を見出したいものである。

「紀州犬 生き残った名犬の血」 甲斐崎圭著 光文社新書 ★ 

 日本最北東端の町、羅臼で熊猟をする有色紀州犬「熊五郎」。熊五郎のエピソード、界隈のボス犬(ハスキー)との渡り、エゾシカを初めて仕留めた時のこと、乳牛の群れの中で牧羊犬の代わりをしたことなどなど、まさに『名犬の血』を証明する序章のようでわくわくする。 ショードッグと実用使役犬の血が大きく違ってきている近年、何を名犬とするのかを考えさせられる本である。

「日本犬写真集」 第1巻 (執筆/弓削田忍・金指光春) 加野企画 ★★ 

 PR・ビューティ社から引き継がれた写真集の最新刊。日本犬保存会在籍の柴犬が主で(紀州犬も少々)、血統・賞歴・所有者などの情報が記載されています。さらに、日保審査員の執筆は作出を志す者にはたいへん貴重なものといえます。

「日本の犬・歴史散歩」 真壁延子著 文芸社 ★ 

 すみません。序文でいきなり挫かれてしまったのであまり気を入れて読んでないのですが・・・、挿絵・写真は面白いかな?

「山犬」「山犬続編」 室生犀星著 新潮社 ★

 昭和40年8月に発行された「室生犀星全集・第5巻」に収められた小説です。山里で指物師の家族と幸せに暮らしていた柴犬の「鶴千代」が東京で新しい飼い主に飼われる事に、しかし新しい主人をかたくなに拒み、逃げ出し、指物師の元へと・・・。
 著者の素晴らしい文才で「鶴千代」の心をこれでもかっ!と書き表していて、嗚呼・・・犬の行動って、きっとこんな感情から来るものなのか、と感激してしまいます。( 独り言:戸川幸夫の「北へ帰る」の結末がこれではっきりした。あ〜すっきり。)

「咬ませ犬」 戸川幸夫著 角川小説新書 ★

 土佐闘犬『羽黒』は金儲けの道具としてタライ回しにされる。悲痛な犬生は読んでいて胸が切り裂かれる思いだが、最後には人間と同属の「愛」に包まれる・・・。
 話の構成がジャック・ロンドンの「白い牙」とちょっと似ていると思ったのですが、題材や背景の違いで新鮮で身近な感じを受けました。ブリーディング、ショーイングの世界を見ている私には痛感される小説です。

同時掲載
 「忠犬像紳士録」 忠犬ハチ公のことを書いたノンフィクション小説。
 「仔犬」 スピッツの子犬を迎えた家族、それぞれ犬と関わる目的が違ってちょっと面白いがしみじみする物語。
 「山犬塚」 山犬と少年、そして体裁にとらわれた大人が絡んだちょっと悲しい物語。
 「猪犬物語」 一つの碑をめぐり、猪狩りの名犬「隼」の回想物語。

「猛犬 忠犬 ただの犬」 戸川幸夫著 ★★

 戸川幸夫の出生から旧制山形高等学校に通っていた頃までの遍歴と、関わってきた犬たちのことが書かれています。「秋田犬物語」のマツのモデルになった゛S゜や「愛犬記」の゛太刀゜、雑種はもちろんエアデールテリア、プルドック、ポインター、そして少年時代の甘酸っぱい恋に一役かった渋谷駅のハチ・・・。戸川幸夫ファンにはこたえられない。

「牙王物語」 戸川幸夫著 ★★

 またまた戸川幸夫です。舞台は北海道、サーカスのヨーロッパオオカミが逃げ出し、この地でアイヌの猟犬との間に子をもうける。その中の一匹が「キバ」である。「この物語は、犬という人間に一番親しまれている動物、素朴で、純真なものの姿をかりて生きとし生けるものが、その一生を尊く、強く、りっぱに行き抜いてゆくために体験するに違いない喜びや悲しみ、苦しみ、怒りの流転の姿を描くのが目的でした」、と著者自身が述べている。もちろんただ一人信頼し愛情を注ぐ人間(早苗)との感動的シーンもある。

「柴犬の飼い方・しつけ方」 西東社 ★

 ちょこっと編集のお手伝いをさせていただきました。たくさんの写真ととても可愛いイラストで豊富な内容が解りやすく説明されています。これから柴犬を飼いたいと思っている方に絶対にお薦め。モデルの子犬と母犬、黒柴に注目!うちのワンコたちと兄弟犬です。

「旅券のない犬」 西村寿行著 講談社 ★

 映画化された「黄金の犬」と同じ様なストーリーだが、こちらは舞台が外国である。ケニアで外交官夫妻が殺された。紀州犬の十兵衛は主人の仇を取り、日本に向かう途中で人の命を救いながら大変な事件に巻き込まれて行く。犬の魅力プラス「α」な小説なのだが、この「α」の内容にはナントもドギツイ(私にしてみれば)(^^;性的表現がたびたび出てくるのでここに紹介するのを躊躇するのだが、著者の描く日本犬は素晴らしく魅力的である。

「不屈の犬」 笠原靖著 講談社 ★

 秋田犬と四国犬の間に生まれた犬「リキ」が盗まれた。秋田県から主人が待つ東京へと走るリキ、途中、話の舞台はケニアに変わる。アフリカの大自然の中での日本犬の活躍は・・・?
 西村寿行の小説と比べると、こちらのほうは純情可憐・真実一路って感じかな?

「イヌ・ネコ・ネズミ」 戸川幸夫著 中公新書 ★

 「彼らはヒトとどう暮らしてきたか」、犬とヒトとが関わってきた歴史から犬の特性を解かりやすく簡単に書いていてとても読みやすい。著者自信の犬体験や犬関係の書物の引用なども加えておりなかでも「犬のお伊勢参り」は本当に?とびっくり。

「犬の生態」 平岩米吉著 築地書館 ★★

 「イヌ・ネコ・ネズミ」を読んでみてイヌの特性を詳しく知りたくなったので、これを読んでみました。犬に人間の言葉がわかるか、犬は計算ができるか、犬の記憶力などはなるほどと感じました。とても解かりやすい内容で犬に対する興味が倍増する本である。

「ドン松五郎の生活上・下」 井上ひさし著 新潮社 ★

 頭を柔らかくして本を読みたいという人はこれ!著者は娘に柴犬を与えたきっかけでこの小説を書いた、ということで「ドン松五郎の冒険」として映画化されたのも知られている。雑種のドン松五郎は犬族の中でも選ばれた犬、犬や猫たちが人間並(いや、それ以上かな?)の思考と行動力をもって活躍する、と言う内容は映画「Cats&Dogs」とクロスオーバーして面白かった。

「犬の現代史」 今川勲著 現代書館 ★

 近代国家形成後の日本人が犬をどのように扱ってきたのか、犬とどのように接してきたのかを軍用犬、狂犬病、動物愛護の3章で構成させている。そこには国家的陰謀(??)に装飾された犬もいる。無造作に増え、無造作に殺された犬たち・・・犬に対する日本の文化が良く解かる。

「日本犬」 長倉義夫著 講談社 ★★★

 ズバリ!タイトルは「日本犬」である。これは日本犬の百科事典と言っても良いだろう。ページをめくると犬が描かれた浮世絵が幾つか紹介されていて、現代の犬から比べるとかなり妖艶な感じがする。次に「現代の名犬」として、日本犬保存会を筆頭に秋田犬、北海道犬、紀州犬、甲斐犬、柴犬を扱う団体の入賞犬を写真で紹介している。これは昭和40年代に活躍した犬たちだが、興味を持ったのは当時の柴犬保存会の犬が、日保の柴犬と相違が見られない事。当時、柴保の犬は日保からの移籍犬あるいは、祖先が日保の犬なので当たり前のことだが・・・今、柴保の犬はなんであんなに変貌してしまったのだろう? 「日本犬の繁殖手技」「犬の遺伝」ではブリーダーへの忠告・要望として、かなり詳しく、そして手厳しく書かれているのが嬉しい。

「愛猿記」 子母澤寛著 文芸春秋 ★★

 久々の感動!著者が飼った、猿・犬・鳥のエッセイ集で、犬については3話書かれています。本当に「日本犬ってやつぁ・・・」と心がふるえます。犬3話は以下。
 「ジロの一生」−「ジロ、迷わずに行ってろよ。冥土で私がまたお前を飼ってやる。今度はお前ただ一匹だけなあ」(文中より抜粋)
 「チコのはなし」−著者の家のお手伝いさんが飼っていた犬、しかしご主人様(お手伝いさん)は病気で亡くなり、その後チコは・・・。
 「人と犬との物語」−不死身の紀州犬フクのたくましさ、トチコの不憫さ、登場は少ないがシロ、そしてこれらの犬を取り巻く人間達との人情豊か、犬情(?)豊かな物語。 頑固一徹、二主にまみえず、日本犬の多頭飼いの難しさというか厳しさが解かる。

「日本犬保存会創立五十周年史 上・下巻」 日本犬保存会 ★★★

 昭和7年発刊から53年までの日本犬保存会会誌「日本犬」の中から主要なテーマを抜粋して編集されたもの。上・下巻総頁数1812頁、ずっしりと重いこれらの本に日保の歴史の重さをまざまざと感じる。国宝級お宝本。

「幻のニホンオオカミ」 柳内賢治著 さきたま出版会 ★★

 日本犬のヒントになるかなぁ?と思って、図書館から借りてみましたが、まぁ、それとは別にして、結構面白い内容です。オオカミの恩返しの話などは「へぇ〜」と関心してしまう。童話の中にも 登場し、子供の頃から悪い怖い動物としてマインドコントロールされていたが、なんだ良いヤツじゃん、と思ってしまう。でも、「早太郎の話」や「老オオカミの化身」の話は、ちょい、恐ろし〜い。

「日本犬大観・復刻版」 愛犬の友編集部編 誠文堂新光社 ★★★

 昭和28年9月1日に、愛犬の友の臨時増刊として発行されたものを昭和62年に原文のまま復刻、発行したもの。 まさにタイムスリップ!タイムマシンがあるのなら「中号」を見に行きたい、という私の願望が叶えられた一冊である。中号以前の系統も詳しく記述されている。この当時は、外国への紹介に力を入れていたようで、広告写真のページには英語が添えられていたり、日本犬の歴史・発展が英文で書かれていたりする。ただ残念なのは、大型・中型犬の全盛期なので、秋田犬で占められている。山陰・美濃・信州、各地の柴犬(小型犬)の状況や特色が詳しく書かれているのが嬉しい「ヨダレ本」。

「愛犬物語」 安岡章太郎著 KSS出版 ★

 先に紹介した「犬と歩けば」と、「犬と暮らせば」、「犬をえらばば」の3部が収録されたエッセイ集。愛犬「コンタ」を飼う経緯に登場する、近藤啓太郎氏のことが笑わされる。

「日本犬物語」 笹本雄一郎著 AA出版 ★★

 我々日本人とは切っても切れない関係にある、日本犬。アイヌ犬、甲斐犬、四国犬、今や消えうせてしまった越の犬などの、言い伝えや、フィクションが含まれた13篇からなる短編物語集。なかでも、勇敢で、悲しいほど主人に忠実な紀州犬などの話は感動的。

「日本犬の研究」 大浦豊著 三省堂 ★★★ 

 市図書館の書庫に眠っていたこの本は、不思議なほどに真新しく、しかし他の図書とはまるで違っていた。タイトルが書かれたカバーはないし、傷み防止のプラスティックカバーも付けられていない。??と思いつつ、ページをめくると1枚の古い写真が・・・横書きの添え文を読むと、「チハ」の谷○(この漢字はPCの変換には無い)・・・?え?え?え?・・・落ち着いて右から読むと、忠犬として有名なる渋谷の「ハチ」。なのである。そう、この本は昭和9年に発行されたものである。定価金壱円五十銭、とある。昔の漢字で書かれているが、なぜかすんなり読めてしまうのは、私の年代のせい?

「犬を飼う知恵」 平岩米吉著 築地書館 ★★

 著者は日保創設に携わり、狼・犬の権威者として知られ、フィラリアの研究に功績を残す。昭和47年に出版されたこの本は、単に初心者のための犬の飼い方ではなく、犬を飼う上での飼い主に必要な知識、特に病気については詳しく書いている。改訂を重ねながらも、平成8年に絶版。しかし、その後復刊要望が相次いで、再び書店に並ぶ事となった。シェパードと日本犬(紀州犬)を主に題材にしている。

「愛犬記」 戸川幸夫著 PHP文庫 ★

 著者が飼ってきた犬、秋田犬・スピッツ・四国犬・北海道犬・紀州犬について書かれたエッセイ。
特に私が気に入ったのは・・・
 「犬と狼の間で」−秋田犬「太刀」の新しい飼い主となった氏は、太刀からの信頼を勝ち取るが、実家に預けている内に太刀は本能に目覚めてしまい、凶暴に・・・。氏が愛情を持って命がけに矯正する姿が印象的。
 「犬に詫びる」−紀州犬のハツは犬の社会から隔絶され、人間たちの間だけで成長し、本来の犬らしい性質を持たなくなってしまった。 最近、犬の擬人化が目に付く。人間的犬の生活か、犬らしい生活か、どちらが犬にとって良いのだろう?(「詫びる」と言っているくらいだからもちろん後者であろう)

「職員会議に出た犬クロ」 藤岡改造著 郷土出版社 ★

 ひょんなことから長野県松本深志高校に住み着くようになった野良犬「クロ」(日本犬雑種)。授業や職員会議に参加し、毎日の宿直巡回をこなし、職員写真にもちゃっかり顔を出す。そして、番犬として職員名簿に名前が載ってしまったという有名犬。先生と生徒たちのクロに対する接し方、クロの人間に対する接し方の自然さが、何とも羨ましい。クロに関わった生徒や先生の話、全国からのファンレターなどで構成 される。

「ハラスのいた日々」 中野孝次著 文藝春秋 ★

 横浜の洋光台(うちの隣の区だよ!)への引越しをきっかけに、柴犬を飼い始めた著者。「ハラス」の一生・13年間の思い出を書いたもの。私の感想としては、ごく一般的な、犬と過ごす幸せと、犬がいなくなった悲しみを綴っただけのもの。 内容は「犬」ではなく著者の犬に対する感情、と言う感じ。

「犬と歩けば」 安岡章太郎著 読売新聞社 ★

 紀州犬「コンタ」(近藤啓太郎氏を通して入手した犬だから近タ?)との15年間を書き綴ったエッセイ。近藤氏とはまた違い、いわゆるペット飼いなのだが、上記の中野氏と違ってしみったれた内容でないのが面白い。コンタの行動や他の動物のことも興味深く読める。

「犬の日本史」 谷口研語著 PHP新書 ★★

 題名の通り、家畜として犬が飼われていた縄文時代から、近代までの日本史上における日本人と犬との関わりを書いている。他国との犬の接し方の違いを知る上での、なかなか興味深い内容である。「はじめに」の項で書かれている、「犬を飼うことは自然と触れ合うことである」と、ある心理学者が言うこの言葉が身に染みる。犬から自然を学ぶこと、積極的に犬を役立たせることこそ、犬に犬権を与え、犬を飼う意味があるのではないかと思う。

「野性の呼び声」 ジャック・ロンドン著 新潮文庫 ★

 米西海岸の南で平和な暮らしをしていた「バック」(セントバーナードとシェパードのMix)は盗み出され、ソリ犬としてアラスカへ売られた。多様な人間、そして犬と接触し、厳しい自然の中に置かれて、徐々に遠い祖先から受け継がれた血液から野性の本能が呼び起こされていく・・・
動物(犬)小説の最高傑作として紹介され続けているこの本は、犬の本能を知りたい、あるいは知っている人にはとても面白く、ワクワクさせる内容。戸川幸夫氏も絶賛。

「対談・柴犬の飼い方」 愛犬の友編集部編 誠文堂新光社 ★★

 昭和51年に発行されたもので、渡辺肇氏をはじめとする、日本犬保存会の諸審査員の対談。語り口調で書かれている内容にとても親近感がわく。祖犬の特徴が詳しく語られているので、作出者にはお宝本。

「愛犬の友犬種別シリーズ・柴犬」 愛犬の友編集部編 誠文堂新光社 ★★

 日本犬保存会会員や展覧会出陳をお考えの方に。初心者にも解かりやすいスタンダード解説や飼い方など、私も何度と無く読み返しました。

「愛犬クラブ・柴犬」 卯木照那著 誠文堂新光社 ★

 上記の本に比べると、初心者にも解かり易く、ペット飼いの人にも受け入れ易い内容。カラーページがほとんどで、写真も豊富に載っています。

「愛犬12ヶ月 柴犬の飼い方」 誠文堂新光社 ★

 年代別、月ごとに飼い方が紹介されています。しかしながら、基本は外での犬舎飼いです。内容は重複していることもあり、ページ数にくらべて少しものたりない気がする。毎月のホームドクター(病気に対する注意)や飼い方のコツも載っています。・・・しかし、この本のイラストはヘタウマなのか??(^^;

「日本犬の飼い方」 卯木照那著 大泉書店 ★

 著者は日本犬保存会で審査員を務め、現在、日保の事務局長になられております。上記の「愛犬クラブ・柴犬」とほぼ同様のコンテンツに、他の種類の日本犬も加わった内容。カラー版で読み易い。

「歴史に残る思い出の柴犬」 愛犬の友編集部編 誠文堂新光社 ★★★

 日本犬保存会の創設以降、展覧会において、大臣賞に貢献した犬たちと、昭和49年までの大臣賞犬の写真を詳しい解説付きで紹介されています。柴犬の血統・系統の歴史が良く解かります。柴犬の繁殖作出をする人は、この本に載っている犬を知っておいたほうがいいだろう。

「日本犬写真集」(第1巻〜7巻) PR・ビューティ社 ★★

 日保籍の優秀犬の写真集。勿論、血統と賞歴の紹介付き、カラー版で立ち込みポーズの凛々しい柴犬たち(紀州犬も少々)が200頭以上。初心者が犬を購入する時、または交配相手を見つけるのにも役に立つ本だと思います。

「いぬ馬鹿」 戸川幸夫著 小学館ライブラリー ★★

 日本犬保存会の創設者、斎藤弘吉氏をモデルにした作品。いかにして日保(文中では日本犬保護普及会)が出来上がったか、その多大なる努力が偲ばれる。日保籍の犬を飼っている人、日保会員は必見。

同時掲載
 「熊犬物語」−マタギ犬として生を受けたシロと、マタギとして生きる源次の物語。
 「猪犬物語」−一つの碑をめぐり、猪狩りの名犬「隼」の回想物語。
 「山犬塚」−山犬と少年、そして体裁にとらわれた大人が絡んだちょっと悲しい物語。
 「秋田犬物語」−犬の良し悪しってどこで決められるの?秋田犬(?)「マツ」の心温まる物語。

「高安犬物語」 戸川幸夫著 新潮文庫 ★

 1954年、直木賞作品。高安犬(こうやすいぬ)としての純血を保っていた最後の犬「チン」。その犬を探し当てるまで、そしてその血統を残そうと努めた物語。現在、高安犬は絶滅している。民族の素晴らしい遺産を残せなかったという哀愁が漂う作品。

同時掲載
 「熊犬物語」−マタギ犬として生を受けたシロと、マタギとして生きる源次の物語。
 「北へ帰る」−犬の帰巣本能、それはただ、主人を思うがためにあるものなのか・・・。
 「土佐犬物語」−実存した小兵の土佐闘犬横綱をベースにした物語。
 「秋田犬物語」−秋田犬(?)「マツ」の心温まる物語。何度読んでも目頭が熱くなります。

「オーロラの下で」 戸川幸夫著 金の星社 ★

 日本犬の物語ではありませんが、日本犬を知る良いヒントになります。
北の果ての大地、オオカミの王を父とし、そり犬を母として、真っ白なオオカミ犬「吹雪」は生まれた。厳しい環境に生きてリーダーとなった者だけが種族を残すことができ、そこから素晴らしいオオカミが生まれる。私の繁殖の心得になる本。

「老人と狩りをしない猟犬物語」 西村寿行著 角川文庫 ★★

 幻の処女作といわれる長編作品。猟師の老人と怨敵巨熊・・・厳しい大自然の中で、最後の戦いに執念を燃やす老人と紀州犬「隼」、そして二代目「隼」。スリリングな話の展開と、背景となる大自然の表現も素晴らしい。私は物語にのめり込み一気に読んでしまった。

「日本犬・血統を守るたたかい」 吉田悦子著 新人物往来社 ★

 日保・東京展で著者にお会いした。ご自身はポインターを飼っていらっしゃる。日本犬への特定な先入観がない分、インタビューを通してのこのような素直な文章が書けるのだろうと思った。6頭の日本犬の守るべき血統とは?。私がとりわけ気に入ったのは、甲斐犬の項の「犬は人を噛んではならない」である。日本犬の「悍威」の解釈を勘違いしている人、間違った躾をしている人も多いであろう。

「愛しき犬たち」 近藤啓太郎著 講談社 ★★

 紀州犬の愛犬家、そして日保の名誉会員である作者のエッセイ集。自身が飼っていた柴犬と紀州犬の事、展覧会の事などうなずけるところがいっぱいあって、とにかく可笑し楽しい。他の犬種(洋犬種)の性格なども書かれていて日本犬との比較も楽しめる。展覧会に興味がある人、犬飼い初心者にもお薦め。

「日本の犬は幸せか」 富澤勝著 草思社 ★

 私が主張したいことが、この本の中にあります。日本の犬(動物)をとりまく環境は異質なもの、これは世界の動物事情を知った人にしか解かりません。もっとグローバルな視野を持って、利己的にならないような人間と犬との関係をこの本から学びたい。

「ニッポンの犬」 岩合光昭 平凡社 ★

 これを見ると「あぁ、ニッポン人でよかった〜」とつくづく感じる。北海道犬・秋田犬と雪、甲斐犬・四国犬と山、紀州犬とミカン、川上犬と子供たち、そして柴犬と桜(+富士山)。日本の風土に生まれ育った犬たちの素朴な本当の姿が写し出された写真集。モデルの柴犬達もさすが、味わい深い!写真家・岩合光昭氏と各犬の所有者殿に感謝したい。

「THE TOTAL SHIBA」 Grechen Haskett & Susan Houser著 (米国) ★★

 外国の柴犬人気は年々向上しているが、柴犬についての正確な情報が伝えられていないため、日本の柴犬と全く違うタイプの柴犬がドックショーで脚光を浴びるようになってきた。アメリカンアキタのように改造種のような柴犬を作って欲しくないというアメリカの日本犬愛好家の情熱から英文で発行された本格的な日本犬柴犬本。日保の柴犬や日保の歴史、日本犬標準、日本の代表犬、飼い方、現在のアメリカの柴犬の土台になった犬たちなどが載っている。

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