純血種である、という証拠に血統書が発行されますが、これは単にその犬の種類を定めたものであります。 時に、その犬の三〜四代祖の名前を知ることができる便利なものではあるが、この血統書なる紙切れ一枚でこれが理想の姿の柴犬である、という証明にはならないのです。
  それでは、柴犬の理想の姿とはどういうものか? それを定めたのが、日本犬標準(スタンダード)なのです。日本犬標準は昭和9年・9月15日に日本犬保存会が制定した日本犬の規格・基準で、外面(体質体形)はもちろん、日本犬に不可欠な内面(精神)をも重視されて定められたものです。

1  本質とその表現

 「悍威に富み良性にして素朴の感あり、感覚鋭敏、動作敏捷にして歩様軽快弾力あり。」
  悍威(かんい)とは、敵や獲物に堂々と向かって行く強い精神のこと。良性とは、明朗で主人に従順な素直な性格のこと。 素朴とは、飾り気のない自然美をかもしだす雰囲気のこと。そして野生の如く鋭い感覚を持ち、瞬時に身をかわせるような活動的な動作、軽快で弾むような歩様ができること。

2 一般外貌

 性徴(雄は雄らしい、雌は雌らしい顔つき、体形体質)を重視。体高は雄38cm〜41cm、雌35cm〜38cm。体形は雄で体高100に対して体長110の比率。雌はこれに対して、少し体長が長めである。しっかりした骨格を持ち、筋肉が引き締まり、皮膚に弛みのない力強く堅い体質であること。
(体高=前足の接地点から首の付け根まで真っ直ぐに計った高さ)

3 耳

 小さく三角形で、やや前傾した立ち耳である。
「小さい」は、頭部とのバランスがとれた小ささで、大きいものよりは小さいほうが良く、また小さすぎるのも良くない。
「三角形」=形は、正面から見て、内耳線が真っ直ぐな感じで、外耳線がやや曲線になっていて、耳先が上方を指しているもの。ちなみに、内耳・外耳線の形が逆なのを、「逆耳」。耳先が横に広がったのを「かんざし耳」という。
「やや前傾」は、真横から見て、頭の線と耳の線が直角(90度)であるのが良い。この角度が浅かったり深かったりすると、力強い表現に欠ける。

4 目

 「目は口ほどにモノを言う」、まさにその通りで、形・沈み・色は本質を表す重要なポイントになります。
よく、三角形と言われますが、これは日本犬の特徴で、洋犬のようにアーモンド形(下瞼と上瞼が同じカーブ)又は、丸目であってはいけません。そうですね、日本犬は「はまぐり形」とでもいいましょうか。
沈みというのは、奥まった感じです。沈み不足(いわゆる出目)は、冷静・沈着・力強さに欠けます。
虹彩(瞳の周り)の色は濃茶褐色が理想で濃いほど良い。

5 口吻

 鼻筋が真っ直ぐ通り、唇がよく締まっていて、下顎が厚く、丸い感じである。
締まった唇は、真横から見ると直線を描いたように見えます。下がった口吻や締まりの無い唇は、口の端などにたるみができて、間の抜けた感じを受けます。

6 頭

 良く発達し、額は広くなだらかに隆起し中央の縦溝が薄っすら見えるものが良い。額に皺が何本もあるのは、皮膚が弛んでいるということ、張り、力強さに欠ける。
額段(ストップ)は、ゆるやかな曲線で浅からず、深からずはっきりしていること。
ふっくらとした頬張りであること。

7 前肢

 肩甲骨はよく発達して、適度に傾斜していること。そして、そこから繋がる前足は、真っ直ぐ伸び、足首のあたりは少し傾斜して、しっかりと締まったにぎり(指・爪の部分)であること。

8 後肢

 大腿部・下腿部とも良く発達して引き締まり、飛節は乾燥して適度な角度をもって、力強く踏ん張っているもの。
飛節とは、後ろ足の曲がった関節の部分をいい、適度な角度とは、自然に立たせた時に後肢を横から見て、大腿部内側の線がほど良いカーブをなし、飛節の部分で曲がり、地面と90度に接するもの。
飛節の角度の開いたものは、大腿部から先まで直線的になり、又、角度の深いものは、曲がりが極端で双方とも力強さ・踏ん張り・弾力性に欠ける。

9 胸

 深さは体高の半分、浅くても45%はあるものが良い。前から見た断面は、卵型とか船底型と呼ばれ、適度に丸みのあるもの。丸型の樽胴は、肘が外向きに突き出てガニマタになり見苦しいし、扁平胴は胸が狭く、前足も狭まって力強さが見られない。

10 背・腰

 背から尾の付け根まで真っ直ぐで、ガッチリとしていること。盛り上がった凸背、へこんだ凹背は軟弱な体質の犬に見られ、軽快な歩様が見られない。また、腰から尻にかけて急に下がり、尾の付け根が下がったものは斜尻といって、力強さが無く、歩様も見苦しくなる。

11 尾

 太く力強く美尾または巻尾をなし、長さは略飛節端に達す。
日本犬の代名詞である、立耳・巻尾。この巻尾は、付け根より先端まで力強い表現がなければならない。では、固く巻いていれば力強いかというと、これは違う。巻いた円にピンポン球大のゆとりがあるものが、尾の表現に富む、とよく言われる。太く、というのは毛が密に生えて、開立良く太く見えること。この開立が無く、一方向に生えた癖のある毛を、「拝み尾」といい、これは美尾ではない。
尾の形は、巻尾と差し尾がある。犬の後方から見て先端が右に巻いてるのが、「右巻」。左に巻いてるのが、「左巻」。巻かずに背上に差しているのを「差し尾」といい、その種類も「太刀尾」、「なぎなた尾」、「たたき尾」などがあり、昔から狩猟犬において尊重され、力強い差し尾は鑑賞的にも魅力のあるものである。
長さは、真っ直ぐ下に伸ばした時に、先端が飛端のあたりにくるものが良い。

12 被毛

 表毛(剛毛)と下毛(綿毛)の二重被毛で、表毛は硬く、真っ直ぐ立った感じで生えていること(栗の毬を想像されたし)。下毛は細く、柔らかく、白または、白に近い色である。この下毛が地肌に豊富に密生していることによって剛毛が生かされ、美しい柴犬の外形が形成されるのである。
 柴犬の毛色は赤、黒、胡麻、白、とあるが赤毛が7割以上を占め、以下黒毛、胡麻毛 と続く。赤毛は明るく冴えた色調が良い。黒毛は墨のような黒が良く、光沢がある黒は好ましくない。黒毛の絶対条件に「四つ目」がある。これは目の上のマーキングで黒毛の中にハッキリ丸いタンがなければならない。
 赤、黒、胡麻の有色毛の柴犬には口吻から顎下、胸、下腹部、四肢の内側、尾裏にかけて白毛が表れており、これを「裏白」と言い、日本犬の特徴の一つである。

参考文献:愛犬の友<犬種別>シリーズ 柴犬 (誠文堂新光社)

 日本犬保存会の展覧会では、この日本犬標準に基づいて審査がなされ、標準により近い柴犬が選び抜かれる訳である。日本犬標準は柴犬の発展・向上・保存のための繁殖に役立つ『優秀犬』を選ぶ基準になります。

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